ただ、つらつらと

書きたい時にだけ、

秋模様

雲が空高く泳ぎだす

そよめく秋風に群れをなして

玻璃(はり)のように澄み切った

水面(みなも)を揺らすことなく

すいすいと



跳ねる飛沫は時雨となって

残暑を塗りつぶし

色なき風が吹く



うそ寒げに呟く

そんなに色がないか

よく目を凝らして見てごらんよ

色めく香りが君を誘うはず



金木犀香りを餌に

釣り糸を垂らそうか

君も誘われたのか

水面を揺らす蜻蛉も

すいすいと



紅い絵の具を零したように

空と雲は染め上がり

見分けがつかないな



嗤う君を見上げて

見つからないなぁと

拗ねてみせる僕を気に留めず

君は紅い空で曖昧になる



秋風に流されてしまうより

自分で泳いでいきたい

いつも此処にいるから

また明日会おうね





*今回は初めて字数を揃えることを意識しました。まだまだ初心者なので温かい目で見守ってください。

今回も閲覧していただきありがとうございました。